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AIを使い始めると、知らない単語が一気に出てくる。
LLM、トークン、API、MCP、RAG、エージェント。
しかも説明を検索したら、その説明の中にまた知らない単語が出てくる。用語を調べるために用語が増える。なかなか味わい深い地獄です。
でも、全部を先に覚える必要はない。
この記事では、ChatGPTや生成AIを使い始めた人が「これ何?」となりやすい30語を、できるだけ普通の言葉で整理する。
目標は試験に受かることではない。
AIを使っている途中で知らない言葉が出ても、止まらなくなること。
最初にこれだけ覚えるなら7つ
30語を一気に覚える必要はない。まずは次の7つで十分。
- ChatGPT:AIと会話しながら作業できるサービス
- プロンプト:AIへ渡す指示や質問
- トークン:AIが文章を処理するときの細かな単位
- コンテキスト:AIが今の回答を考えるために参照している情報
- API:サービス同士が機能を呼び出すための窓口
- AIエージェント:目的に向かってツールを使いながら作業を進める仕組み
- MCP:AIと外部の道具やデータをつなぎやすくする共通ルール
ここまで分かれば、かなり会話についていける。
その先は、必要になった言葉から拾えばいい。
Lv.0|まず会話についていく
1|AI
Artificial Intelligence、人工知能のこと。
人間がやってきた認識、予測、文章生成、判断補助などをコンピューターで行う技術の大きな呼び名。
ChatGPTも画像生成AIも音声認識も、全部この大きな箱の中にいる。
たとえるなら: 「乗り物」という言葉。車も電車も自転車も含むくらい広い。
2|生成AI
文章、画像、音声、動画、コードなどを新しく作るAI。
従来のAIには「これは猫です」と判定するような使い方も多かった。
生成AIはそこから一歩進んで、文章を書いたり、絵を作ったり、プログラムを書いたりする。
使う場面: メールを書く、企画を考える、画像を作る、コードを書く、資料を要約する。
3|ChatGPT
OpenAIが提供する、AIと会話しながら作業できるサービス。
質問への回答だけでなく、文章作成、要約、分析、画像、ファイル処理、外部ツールとの連携など、使える範囲は広い。
大事なのは、ChatGPT = AIそのものではないということ。
AIという大きな分野の中に、ChatGPTというサービスがある。
4|プロンプト
AIへ渡す指示、質問、条件のこと。
たとえば、
「この文章を100文字で要約して」
もプロンプト。
「小学生でも分かるように説明して。専門用語には例を付けて」
もプロンプト。
長く書けば必ず良くなるわけではない。目的と条件が分かることの方が大事。
Lv.1|ChatGPTを使うと出てくる言葉
5|LLM
Large Language Model、大規模言語モデル。
大量の文章などから言葉のパターンを学び、入力に続く自然な文章を生成するモデル。
ChatGPTの会話能力の中心にある技術の一つ。
たとえるなら: とんでもなく大量の文章を読んで、言葉のつながり方を学んだ文章エンジン。
6|GPT
文章やコードなどを扱うためのAIモデルの系列名。
ChatGPTはサービス名で、GPTはその中で使われるモデルの名前として出てくる。
ここは初心者が混乱しやすい。
ChatGPT = 店。GPT = 店の中で働いているエンジンの一つ。
くらいに考えると分かりやすい。
7|モデル
AIの「頭脳部分」にあたるもの。
同じAIサービスでも、速さ重視、推論重視、画像が得意、コードが得意など、複数のモデルを使い分けることがある。
モデルが違えば、得意な仕事や速度、使える機能も変わる。
8|トークン
AIが文章を読むときに使う細かな単位。
人間から見ると文章でも、AIは内部で細かく分割して処理する。
1文字 = 1トークンとは限らない。
トークン数には、一度に読める量や利用料金の話でよく出会う。
9|コンテキスト
AIが今の回答を考えるときに参照できる情報。
今の会話、与えた文章、ファイル、システム側の指示などが含まれる。
AIが前の話を踏まえて答えられるのは、必要な情報がコンテキストに入っているから。
逆に、必要な情報が入っていなければ、AIは知らない。
10|システムプロンプト
AIに最初から与えられている上位の指示。
「あなたは○○として振る舞う」「このルールを守る」といった、通常のユーザー入力より土台に近い指示。
AIサービスや社内AIを作る側ではよく登場する。
一般利用では、存在だけ知っておけば十分。
11|ハルシネーション
AIが、もっともらしい間違いを答えてしまうこと。
文章が自然だから厄介。
存在しない本、違う日付、誤った数字などを、それらしく説明することがある。
重要な情報は、AIが自信満々かどうかではなく、元情報を確認できるかで判断する。
Lv.2|仕事でAIを使うと出てくる言葉
12|API
サービス同士が機能を呼び出すための窓口。
たとえば自分のアプリからAIへ文章を送り、回答だけ受け取る。
人間がChatGPTの画面を開いて操作しなくても、プログラムからAIを使える。
たとえるなら: レストランの注文口。厨房へ直接入らなくても、注文を渡せば料理が返ってくる。
13|APIキー
APIを使う人やプログラムを識別するための秘密の鍵。
パスワードに近い扱いが必要。
コードに直接書いて公開したり、GitHubへそのまま置いたりしない。
漏れたら「鍵を玄関に貼った」くらいの扱いで考えていい。
14|JSON
データを整理して受け渡すための書き方。
APIを使うと、かなりの頻度で出てくる。
たとえば名前、価格、状態などを、
{"name":"ZEROHAND","status":"active"}
のような形で表せる。
人間にも比較的読めて、プログラムにも扱いやすい。
15|CSV
表形式のデータを、文字で保存するファイル形式。
Excel、Google Sheets、顧客管理、商品管理など、いろいろな場所で使われる。
見た目は単純でも、文字コード、列数、引用符、必須値、重複などで事故が起きる。
CSVで詰まったら、まず「ただの表」ではなく他システムへデータを渡す交換ファイルだと思うと分かりやすい。
16|Markdown
文章に見出しや箇条書きなどを付ける、軽い記法。
# 見出し や - 箇条書き のように、普通の文字だけで文章構造を表せる。
ChatGPTへ文章を整形してもらうときにもよく使われる。
README、ドキュメント、メモ、ブログ記事などでも定番。
17|OCR
画像の中にある文字を読み取って、文字データへ変換する技術。
紙の請求書を撮影して文字を取り出す、PDFの画像から文章を読む、といった場面で使う。
AIと組み合わせると、
画像から文字を読む → 内容を理解する → 表へ整理する
まで一続きにできる。
18|OAuth
パスワードそのものを渡さず、別サービスへのアクセスを許可する仕組み。
「Googleアカウントでログイン」や、
「このアプリにGoogle Driveの読み取りを許可しますか?」
のような画面でよく使われる。
ポイントは、パスワード共有ではなく、許可する範囲を決めて権限を渡すこと。
19|Webhook
何かが起きた瞬間に、別のサービスへ知らせる仕組み。
「注文が入った」「フォームが送信された」「支払いが完了した」などのイベントをきっかけに、別の処理を動かせる。
定期的に「何か起きた?」と見に行くのではなく、起きた側から知らせてもらう。
Lv.3|AIを外の世界につなぐ
20|コネクタ
AIと外部サービスをつなぐ接続機能。
メール、カレンダー、クラウドストレージ、業務ツールなどをAIから利用できるようにする。
AI単体では見えない情報も、接続と権限があれば扱えるようになる。
21|MCP
Model Context Protocol。AIと外部のツールやデータをつなぐための共通ルール。
サービスごとに毎回バラバラな接続方法を作るのではなく、AI側とツール側が共通の形でやり取りしやすくする。
たとえるなら: 機器ごとに専用端子を増やすのではなく、共通端子を決める感じ。
MCPを理解すると、「AIに何を見せるか」「何を操作させるか」という設計が見えやすくなる。
22|Function Calling
AIが、決められた機能を構造化された形で呼び出す仕組み。
たとえばAIが、
「天気を知るには weather という機能を、この都市名で呼ぼう」
と判断してツールを使う。
文章を返すだけだったAIが、外の機能を実行する入口になる。
23|AIエージェント
目的に向かって、必要な情報を集めたりツールを使ったりしながら作業を進める仕組み。
普通のチャットが「質問 → 回答」なら、エージェントは、
目的を受け取る → 状況を見る → 行動する → 結果を見る → 次を決める
という流れを持つ。
ただし、何でも勝手に完璧に終わらせる魔法の社員ではない。権限、確認方法、失敗時の止まり方まで設計して初めて仕事になる。
24|ワークフロー
作業を順番につないだ流れ。
たとえば、
問い合わせ受信 → 内容を分類 → 担当へ通知 → 台帳へ保存
という一連の処理。
AIが入っても基本は同じ。
むしろAIを入れるほど、どこから始まり、何を確認し、どこで完了なのかを決めることが重要になる。
25|Cron
決めた時刻や間隔で処理を動かす仕組み。
「毎朝9時」「1時間ごと」「毎週月曜」などの定期実行で使われる。
AIに毎朝ニュースを確認させたり、毎晩レポートを作らせたりするときにも登場する。
Lv.4|自分のデータをAIに使わせる
26|RAG
Retrieval-Augmented Generation。必要な情報を外から探して、その内容をAIの回答に使わせる方法。
AIモデルそのものを覚え直させるのではなく、
質問 → 関連資料を検索 → その資料をAIへ渡す → 回答
という流れを作る。
社内マニュアル、商品情報、過去資料などをAIに参照させたいときによく使う。
27|Embedding
文章や画像などの意味を、数字の並びとして表現したもの。
意味が近いものほど、数字上でも近くなるように扱える。
そのため、
「この質問に近い社内文書を探す」
のような検索で使われる。
人間が読むための数字ではない。コンピューターが意味の近さを比べるための表現。
28|Vector Database
Embeddingのようなベクトルデータを保存して、似ているものを高速に探すためのデータベース。
通常の検索が「同じ単語」を探すのが得意なのに対して、ベクトル検索は「意味が近いもの」を探すのが得意。
RAGと一緒に名前が出ることが多い。
29|Fine-tuning
追加の学習データを使って、モデルの振る舞いを調整すること。
会社独自の書き方に寄せたい、特定形式の出力を安定させたい、といった用途がある。
RAGとは別物。
- RAG:必要な資料をその都度読ませる
- Fine-tuning:モデル自体の振る舞いを追加学習で調整する
初心者の段階では、まずRAGやプロンプトで足りることも多い。
30|Transformer
現在の多くの生成AIの土台になっているニューラルネットワークの構造。
文章の中で、どの言葉とどの言葉が強く関係しているかを扱う仕組みが重要なポイント。
LLMの技術を深掘りすると必ず出会う。
ただし、ChatGPTを仕事で使うだけなら、内部の数式まで覚える必要はない。
**「今の生成AIを支えている重要な設計の名前」**くらいで十分。
用語は「覚える」より「使ったときに意味が分かる」が正解
AIの勉強でありがちなのが、用語集を全部理解してから使おうとすること。
逆の方が速い。
まずChatGPTへ仕事を一つ頼む。
ファイルを一つ渡す。
分からない単語が出たら、このページへ戻る。
APIが必要になったらAPIを覚える。
自動化したくなったらWebhookやエージェントを覚える。
社内資料を読ませたくなったらRAGを覚える。
必要になった瞬間の言葉は、驚くほど忘れにくい。
次に実際に触るなら
AIでWebサイトを作ってみたい
コードが分からなくても、最初の1ページを公開するところから始められる。
CSVという言葉が仕事で出てきた
CSVは簡単そうに見えて、インポート直前に事故が起きやすい。
ZEROHANDでは、CSVをアップロードせずブラウザ内で事前チェックできる小さなツールも用意している。
→ CSV Preflightの機能とサンプルを見る
→ US$3でCSV Preflightを購入する
AIに「答える」だけでなく「動いて」ほしい
次に覚えるのは、API、Function Calling、MCP、AIエージェントあたり。
最後に
30語全部を暗記しなくていい。
AI / ChatGPT / プロンプト / コンテキスト / API / エージェント / MCP。
まずこのあたりが分かれば、AIの話を聞いたときに迷子になりにくい。
そして一番大事なのは、言葉を知っていることより、
「それを使うと何ができるの?」と聞けること。
AIの世界は新しい名前が増え続ける。
全部追いかけるのは無理です。人類は名前を付けるのが好きすぎる。
必要なものだけ拾って、できることを一つずつ増やせばいい。
