INTERNETFeature2026-09-22

ブラウザのタブ、なぜ50枚まで増えるのか

だらしなさだけではない。タブは検索結果、未処理タスク、比較候補、記憶の代用品になっている。閉じられない理由を情報設計から見る。

ブラウザの上に、小さな台形が50個並ぶ。タイトルはもう読めない。どこかに必要なページがあることだけは分かっている。

タブを閉じられない人は整理が苦手、と片づけるのは簡単だ。でも実際には、タブが複数の仕事を勝手に兼業している

タブは「あとで」の墓場ではなく、短期記憶だ

検索して見つけた比較候補、返信前に確認したい資料、買うか迷っている商品、途中まで読んだ記事。ブックマークへ入れるほど重要ではない。でも検索し直すのは面倒。

そこでタブを残す。「ここに置いてある」という位置そのものが記憶になる。

閉じると不安なのは、復元を信用していないから

履歴検索が強く、あとで簡単に戻れる確信があれば、タブを閉じやすい。逆に「何と検索して見つけたか覚えていない」ページほど閉じられない。

つまり問題はタブ数だけではない。情報を再発見する経路が弱いと、画面上へ物理的に残すしかない。

解決は全部閉じることではない

タブを3枚に制限しても、未処理の仕事が消えるわけではない。

役割を分けると、タブは本来の「今見ているページ」に戻っていく。

50枚のタブは、ブラウザの使い方の失敗というより、人間の未処理キューがUIにはみ出している状態だ。閉じる前に、どこへ移せば安心なのかを作ったほうが早い。